製造業経営コンサルタントの井上です。
最近はTwitterでの発信が多くぜひフォローしてもらうと色々な情報が手に入ります。
今回は、シリコンウェハーなどの化学メーカーの信越化学工業(株)の直近の業績です。IR資料を見てその企業の業績をみるのは当然ですが、そこから読みとける今後の動向などを中心にツィートをここでも共有していきます。
では見ていきましょう。
信越化学工業(株) 2023年3月期 通期決算
信越化学工業(株)は、多岐にわたる事業を展開する化学メーカーであり、その主な事業は4つのカテゴリーに分類されます。それらは、生活環境基盤材料事業、電子材料事業、機能材料事業、加工・商事・技術サービス事業です。
🔵生活環境基盤材料事業:
信越化学工業の生活環境基盤材料事業では、建築・住宅用途を中心に、機能性樹脂や接着剤、シーリング材、建築用シートなどの製品を提供しています。これらの製品は、住宅や建築物の耐久性や機能性を向上させ、より快適な生活空間を実現することを目指しています。
🔵電子材料事業:
電子材料事業では、半導体やディスプレイ、電子部品などの生産に必要な高機能・高品質な材料を開発・製造しています。主な製品には、半導体用ウェハーやフォトマスク、液晶ディスプレイ用の偏光フィルム、高速光通信用の光ファイバなどがあります。
🔵機能材料事業:
機能材料事業では、自動車産業や医療分野、食品包装など様々な用途に対応する機能性材料を提供しています。例えば、自動車用の耐熱性樹脂や軽量化材料、医療機器のバイオマテリアル、食品包装に使われるバリアフィルムなどが該当します。
🔵加工・商事・技術サービス事業:
加工・商事・技術サービス事業では、信越化学工業が開発・製造した製品の加工や販売を担当し、さらに技術サービスを提供しています。この事業では、顧客のニーズに応じて柔軟に対応し、新たな価値を創出することを目指しています。
信越化学工業(株)は、これらの事業を通じて幅広い分野において最先端の技術と製品を提供し続け、社会や産業の発展に貢献しています。同社の製品や技術は、私たちの日常生活や働く環境、産業インフラを支える基盤となっており、様々な分野でのイノベーションを促進しています。信越化学工業(株)は、環境に配慮した製品開発や持続可能な生産プロセスの実現にも力を入れており、環境負荷の低減にも努めています。また、社会貢献活動や地域への貢献を積極的に行い、持続可能な社会の構築に貢献しています。
これからも、信越化学工業(株)は、技術革新や新しい製品・サービスの開発を通じて、多様化するニーズに対応し、社会や産業の発展を支え続けることでしょう。その取り組みにより、同社は、化学分野におけるリーディングカンパニーとしての地位を維持し、世界中のお客様に最適なソリューションを提供し続けることが期待されています。https://www.shinetsu.co.jp/jp/
シリコンウェハー製造は、高度な技術と厳密な品質管理が求められるプロセスであり、半導体デバイスの基盤となるシリコンウェハーを生産するために行われます。以下に、シリコンウェハー製造の主なプロセスを説明します。
🔵純度の高いシリコンの生成:
シリコンウェハー製造の最初のステップは、高純度のシリコン(ポリシリコン)を生成することです。通常、石英砂(シリカ)から塩素化シリコンを生成し、さらに金属還元法によって高純度のポリシリコンを得ます。
🔵シリコンの結晶成長:
次に、チョクラルスキー法(CZ法)やフロートゾーン法(FZ法)などの技術を用いて、高純度のポリシリコンを単結晶シリコンに成長させます。チョクラルスキー法は、シリコンを溶かした炉で、シード結晶を回転させながら引き上げて単結晶を成長させる方法です。一方、フロートゾーン法は、シリコンロッドを加熱・融解し、単結晶シリコンを得る方法で、より高純度のウェハーが必要な場合に使用されます。
🔵ウェハーの切断と研磨:
成長させた単結晶シリコンは、ダイヤモンドワイヤーソーを用いてウェハー状に薄く切断されます。その後、表面を研磨し、フラットゾーンやノッチを設けることで、ウェハーの結晶方向や導電型を識別できるようになります。
🔵品質検査とクリーニング:
切断・研磨されたウェハーは、厳密な品質検査が行われ、欠陥や不純物が確認されます。その後、ウェハーはウェットクリーニングやRCAクリーニングなどのプロセスで、表面の不純物や粒子を除去し、最終製品として出荷されます。
これらのプロセスを経て、高品質なシリコンウェハーが製造され、半導体デバイスの製造に使用されます。シリコンウェハーは、トランジスタ、ダイオード、集積回路(IC)など、あらゆる半導体デバイスの基盤となります。そのため、ウェハーの品質がデバイスの性能や信頼性に大きな影響を与えるため、製造プロセスの精度や品質管理が非常に重要です。
さらに、半導体デバイスの機能や性能が向上するにつれて、シリコンウェハーの品質要求も高まります。ウェハーの大径化や薄型化、不純物のさらなる低減、高い平坦度や緻密なドーピングが求められるようになっています。
今後も、シリコンウェハー製造メーカーは、技術革新や新しい製造プロセスの開発を通じて、半導体産業のニーズに対応し続けることが期待されています。その結果、より高性能で低消費電力の半導体デバイスが実現され、情報通信技術(ICT)、自動運転、医療機器、エネルギー管理システムなど、さまざまな分野での革新が促進されるでしょう。
🟥信越化学工業(株)〈化学メーカー〉
2023年3月期 通期決算①“今年に入ってから起きた事象及び起きつつある事態に鑑み、現時点で 2024 年3月期の業績予想を合理的に行うことはむずかしいと判断し、連結業績予想は一旦未定としました。… pic.twitter.com/fkdgTL84FG
— 井上雅史|ものづくりビジネスを研究📣 (@masashi_i) April 27, 2023
🟥信越化学工業(株)<化学メーカー>
2023月3月期 通期決算②(4月26日発表)”半導体市場は昨年秋以降調整局面に入り、状況は年度末時点でも同様で… pic.twitter.com/zJOwgz5CGd
— 井上雅史|ものづくりビジネスを研究📣 (@masashi_i) April 27, 2023
🟥信越化学工業(株)<化学メーカー>
2023月3月期 通期決算③(4月26日発表)”塩化ビニルに関しては、世界的な景気後退の様相が市況に表れましたが、 2022年末に底打ちしました。か性ソーダ市況は塩化ビニルの市況軟化 局面で底堅さを維持したものの、年明けから軟化”#企業研究 #企業決算 pic.twitter.com/PfoD735PKU
— 井上雅史|ものづくりビジネスを研究📣 (@masashi_i) April 28, 2023
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注目企業の事業分析 | ||||||
業界 | 企業名 | 事業内容 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 期末 |
半導体製造装置 | レーザーテック(株) | 半導体マスク欠陥検査装置等製造 | 9月 | 12月 | 3月 | 6月 |
ローツェ(株) | ウエハ搬送システム、FPD製造装置等 | 5月 | 8月 | 11月 | 2月 | |
工作機械・産業用ロボット | ファナック(株) | CNC装置、工作機械、産業用ロボット製造 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月 |