製造業コンサルタントの井上です。
昨年から製造業にAR(拡張現実)やMR(複合現実)がいずれ活用されると言ってきましたが、徐々にサービスやプロダクトが出てきましたね。
製造業の仕事の在り方は、4つの方向に向かっていくと考えてます。
①は現在、製造業が取り組んでいる自動化です。昨今は協働ロボットや無人搬送車(AGV)など、様々な製品が出てきています。また産業用ロボットをインテグレートする為には、ロボットシステムインテグレータが必要になりますが、今年「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」も設立されることになっています。
②は生産管理のシステム化を始め、RPAの活用や更にはAIの活用、統合してIoTとして活用など、生産性を上げるための手法が多く出てきています。
今回のAR(拡張現実)に関しては、井上は③に位置付けてます。要は、人間が作業しますが、指示はコンピュータや他の人がするという内容です。AR(拡張現実)によって図面を表示させたり、作業指示が表示されたりという具合です。AR(拡張現実)グラスには、外部を移すカメラが付いてくるので、作業者の目線とそのカメラを通じて他の人と”目線の共有”が可能になります。分かりやすい動画が、ソニーがYouTubeに出してる動画を見るとわかると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=NYeThOArAMU
(ソニーのスマートグラス SmartEyeglass: ビジネスソリューション より)
最後に④は、高度な作業ですがCADなどのソフトウェアを活用することによって、成果物がデジタル化される仕事は、AIにとってかわる可能性があります。人間の判断を必要として、デジタル化しずらい、できない仕事が、最終的に人間が行る仕事として残ると考えてます。
①、②、③とテクノロジーの進化で、3~5年で普及がどんどん進んでいくでしょう。
最近の、製造業に関係するAR(拡張現実)の記事を下記にあげてみます。
AR技術を用いた技術伝承サービス
アウトソーシングテクノロジーは、AR技術を用いて熟練工が持つ技術の伝承を円滑にするサービス「AR匠」を発表した。ゴーグル型端末を装着することで、作業者と遠隔地にいる熟練技術者が画面、視界を共有しながら作業を進められる。[MONOist]現場での作業イメージ 出典:アウトソーシングテクノロジー
VRで表示したデスクトップ画面で3D CADが使えるレビューシステム
サイバネットシステムが、VR設計レビュー支援システム「バーチャルデザインレビュー」の最新バージョン2.0を発売する。VR空間に表示したデスクトップ画面からCADの操作ができる「リモートデスクトップ機能」などが追加されている。[MONOist]「バーチャルデザインレビュー」のイメージ(クリックで拡大) 出典:サイバネットシステム
タブレットをかざすだけでリアルタイム情報を表示できるARソリューション
シュナイダーエレクトリックは、操作盤、装置、工場などにタブレットをかざすとARでさまざまな情報を表示できるARソリューション「シュナイダーARアドバイザー」を発表した。経験の浅い技術者でも、異常の早期発見と復旧が可能になる。[MONOist]
「シュナイダーARアドバイザー」を使用する様子(クリックで拡大) 出典:シュナイダーエレクトリック
以前の製造業のAR、MR活用の記事を合わせてご覧ください。
製造業の方は、意外とシステムやIoT、AR(拡張現実)もそうですが、ソフトが絡むテクノロジーに苦手意識を持っています。今後、製造業をアップデートさせるには、考え方として「ハードのものづくり」と「ソフトのものづくり」を同時にしていくことが求められる時代です。
ぜひ、苦手と言わず、自社に有効なテクノロジーは、どんどん取り入れていきましょう。
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