製造業コンサルタントの井上です。
先日の日刊工業新聞で、賃金改善見込みについて掲載されてました。
賃金改善見込み「ある」60.6% 帝国データ福岡まとめ(2018/3/7 05:00)日刊工業新聞【福岡】帝国データバンク福岡支店は、2018年度の賃金改善の見込みが「ある」と答えた企業が07年の調査開始以降で過去最高の60・6%とする調査結果をまとめた。九州・沖縄に本社を置く企業を対象に1月に調査を実施し、733社から回答を得た。全国平均の56・5%を上回り、地域別で最も高い水準となった。業界別では「運輸・倉庫」が73・0%で最高。そのほか「製造」67・9%、「サービス」67・4%となった。規模別では「中小企業」が62・1%で、「大企業」の53・4%を上回った。賃金改善の理由で最も多かったのは「労働力の定着・確保」の79・1%。同支店は「労働人口が多い都市圏と比べ、地方や中小企業の方が人材確保のため賃金改善を進めているのでは」と見ている。 ※強調、下線は筆者がつけてます。
日々、クライアント(製造業)にコンサルティングに行くと、景気の良さを通り越して、仕事があり過ぎて困っているばかりです。その中で、賃金制度や評価制度の構築を少し前から行っているところが現在進行形で10社程度あります。
ほとんどが初めて賃金制度を構築する製造業が多いです。大きな目的は、制度の整備ですが、後は従業員の定着や採用に寄与させる為に賃金評価制度を構築しています。
このような状況で経営者は、上記記事にあるように「労働力の定着・確保」の為に賃金を上げるマインドになってきています。
特に、若手社員に対しては、景気が悪かった時期も長かったので、非常に良いことです。
ただ本質的には、賃金(お金)は慣れてしまうものです。
賃金(お金)だけで、従業員の定着率は多少は上がるでしょうかが、本質的な解決にはなっていません。結局、お金で移動してしまいます。
配偶者がいる人は、ある程度、お金で定着する可能性は上がります。バックの奥さんの影響が多分にあるでしょう。
私は、取り合えず賃金制度、評価制度を作ってくれと言われた場合は、コンサルティングをお受けしません。
これでは、会社は良くならないのです。
会社には、性格があり良いところと悪いところがあります。その性格を把握して、人材に対して良い影響を与えない性格を直すことが重要です。
その上で、賃金や評価制度を正すことが一番近道ですし、長期的に強い会社を目指す近道になります。
自社の性格を、まずは考えてみてはいかがでしょうか?