【産業財・生産財(製造業商社)コンサルタント 井上雅史のブログ 】
こんにちは。 産業財コンサルタントの井上雅史です。
今日は「産業機械・機器の修理メンテナンス・ビジネス」について、書いていきます。
今日は産業機械・機器の修理メンテナンスについて、現状をお伝えいたします。
次回以降、実際に取り組んでいる事例など随時お伝えいたします。
2年ほど前から本格的に修理・メンテナンスビジネスの強化コンサルティングですが、お付き合い先の産業機械・機器メーカーのほどんどが取り組んでいます。
日本の産業界がリーマンショック以降、伸び悩んでいることもありますが、一番の問題は日本の産業界がライフサイクル上の「成熟期」以降に突入していることです。
ライフサイクルとは、製品が市場に投入されてから、次第に売れなくなるまでのプロセスのことをいいます。その市場における製品の需要の寿命を示したものです。導入期、成長期、成熟期、安定期の4つの段階はそれぞれにマーケティングや販売方法(プライシング、市場アプローチなど)が変わります。
産業機械・機器では、基本はプロセス開発をしてより生産性の高い装置を提供していくことが求められてきました。しかし、リーマンショックでの不況も影響していますが、1991年に日本は成長期のピークを向かえ、現在、安定期に入り、新規設備の需要が減少しています。それでも新規装置のメーカーは活路を求めて、東南アジアを中心に海外進出しているケースも多々あります。しかし、国内市場は国内市場でどのように戦っていくかが求められます。
産業機械・機器の買い替え期間(購買頻度)は製品によって違いますが工作機械の減価償却が7年です。実施には、15年~20年、それ以上の30年という機械設備もざらにあります。
産業機械・機器の需要が発生する時は、①増設、②更新のどちらかです。
先ほど申し上げたように①増設は、現状ではなかなか望めません。いかに②更新需要を確実に取りつつ、収益性の高い修理や保全メンテナンスを取っていくかが重要となります。
メンテナンス部隊を既存顧客へ”パトロール営業”をさせつつ、更新時のタイミングを逃さないようにすることが重要です。更に、機械設備によりますが、他社メーカーの修理や保全メンテナンスを仕事を受けていくことも今後は必要となります。他社メーカーだけでなく、現在は廃業してしまった廃業メーカーや海外のメーカーの修理やメンテナンスを取りつつ、更新需要が来たら自社の設備を提案していく。新規設備需要を闇雲に追っていくのでなく、修理・保全メンテナンスから入り込んでいく。今後はこの様な営業戦略・体制が必要になっていくと考えてます。
次回、産業機械・機器の修理メンテナンス・ビジネス(2)では、関係先の実際の取り組みなどお伝えいたします。