こんにちは。産業財コンサルタントの井上雅史です。

前回は、修理・保全メンテナンスを実際に行なう時にお客様より頂く”人工(チャージ)”と”仕事量”によって、商品として位置づけ(商品戦略)についてお伝えしました。

今回は、修理・保全メンテナンスのマーケティング戦略についてお伝えします。
 
まず緊急度から見てみます。一概に修理・保全メンテナンスといっても、緊急度が違います。特に突発の修理などは緊急性を要します。ラインが止まってしまい稼動ができない状態であれば、なるべく早く立ち上げるようします。稼動できなければ機会損失が発生し、損失が時間とともに広がってしまいます。この場合は、いかに認知度があるかにかかってきます。通常、一番認知度があるのは、既存の業者や設備メーカーになります。これは当然ですよね。
 
次に、定期メンテナンス(設備保全)やオーバーホールなど緊急性を要しない場合は、キッカケが重要となるタイミング・ビジネス、キッカケ・ビジネスになります。
タイミング・ビジネスやキッカケ・ビジネスとは、いわゆるスポット性の高い商品を売るビジネス(商品)で、需要が常に(毎日、毎週、毎月)あるのではなく、ある時期(年に1回、数年に1回など購買頻度が長い商品の場合)にだけ需要があるビジネス(商品)のことをいいます。
船井流では、緊急性の高い(購買頻度が高い)商品、この場合は突発修理などになります。少し具体的な例としては、ろ過装置メーカーがメンテナンス事業を強化する場合は、レジオネラ属菌対策を集客商品として、水質検査や対策である配管洗浄を集客商品(顧客との接触商品)として展開します。
この様に、修理・保全メンテナンスを強化する目的として、他社メーカーのメンテナンスを取っていき更新需要を取り込むというのがあります。この為に、いかにその機会を掴むかというのが重要になります。
マーケティング戦略上重要なことは、修理・保全メンテナンスを商品と捉え、商品特性に応じた売り方を展開することです。その商品特性を導き出す切り口として、緊急度や購買頻度や専門性の高さなどがあります。<図表1>
 

                      <図表1>

この商品特性別にプル型(お客様から問合せをもらうやり方)では、いかに広告を行い認知度を上げるかが重要になります。

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