製造業のサービス業化。メーカーのサービタイゼーション(servitization)。受託製造業は元々サービス業。

製造業の経営コンサルタントの井上です。

今日は、「製造業のサービス業化」について考えてみましょう。

製造業のサービス業化

まず製造業は、大きく分けると自社商品を持っている「メーカー」と図面や市場などをメーカーから支給されてそれに従って製造していく「受託製造業」に大きく分かれます。

メーカー  or  受託製造業

「メーカー」の中には、自社で企画・開発設計をして自社でものづくりをしている「メーカー」、例えば、工作機械メーカーではファナックなどがわかりやすいところではあります。

自社で企画・開発設計して、ものづくりは他社に委託する「ファブレスメーカー」があります。例えば、アップルやキーエンスもそうですね。

このような大きく分けられます。

 

通常の製造業は、自社ブランドを持ち自社で製造している「メーカー」が一番ピンとくると思います。

では「ファブレスメーカー」は製造業ではないのか? そんなことはないですね。

 

これら製造業は今後、「サービス業化」していきます。

サービタイゼーション(servitization)

まず、メーカー(自社でものづくり有)、メーカー(ファブレスメーカー)いずれでも、製造業がモノを製造し売り切るのではなく、製品を通じたサービスを提供するビジネスのことをサービタイゼーション(servitization)といいます。サービサイジングとも言います。これまでの「アフターサービス」ではなく、サービスの機能を売り収益につなげていくものです。

わかり易い例としては、システムがあります。5年以上前はパッケージでシステム販売する売り切り型が多かったですが、現在は課金をしてサービスを使用する方法をとることが多くなっています。

製造業で具体的な例としては、ロールスロイスのPower by the Hourがあります。

 ロールスロイスでは自社が製造する航空機エンジンにセンサーを取り付け、そのデータを元にエンジンの出力と稼働時間を販売する「Power By The Hour」という従量課金サービスを展開している。航空機エンジンを製品として販売するのではなく、エンジンによって得られる「推力」を販売する、まさに「コト」のビジネスモデルである。ロールスロイスとしては、エンジンを稼働させなければ収益は得られないため、稼働実績に基づく適切なタイミングでの整備と、交換部品や整備士などのリソース管理が求められる。この最適な管理にも稼働データが活用されているという。IoT連携による遠隔でのデータ統合管理や機械学習を活用したエンジンの予防保全なども行っている。

今後、よりメーカーのサービス業化(サービタイゼーション)が進んでいくことが予想されます。

受託製造業は元々サービス業?

次は、受託製造業についてです。

受託製造業いわゆる、言い方は好きでないのですが、一般的に下請企業とも言われます。

業種的には、様々な材質等によってまた違いがでますが部品加工業や組立アセンブリをを行うセットメーカー(組立業)になります。

 

これらの受託製造業は、元々サービス業であると捉えるとよりよい会社運営ができると考えてます。

 

アウトプットととして、モノを作り出荷するので「ものづくり企業」や「製造業」として位置づけられます。

通常、材料を購入して、例えば工作機械で切削加工して、バリ取りして、検査して出荷します。

材料を仕入れて、何かしらものを作っています。

では、ここで材料を支給材にした場合はどうでしょうか?お客様から材料を無償支給してもらう場合です。

その場合の売上は、切削加工した賃加工のみとなります。いわゆるサービス代となります。

 

製造業の定義・分類として、マトリックスとまとめると下記のようになります。

受託製造業は、モノをつくっていますが、他の側面から見ると役務提供型のビジネスです。

モノの切削加工やコーティングなど、設備や人の技術に主づいて、要求されるQ(品質)、C(価格)、D(納期)を満たすべく活動をします。

ここで言いたいこととしては、ものづくりだと思うと技術・ノウハウ面などに目が行きがちですが、サービス業という別の側面から見うとサービス提供者自身の日々の活動がQ(品質)、C(価格)、D(納期)を規定します。これらをより良くする為に「マネジメント」が必要になります。

その結果、受託製造業はサービス業という側面もあり、提供する役務(商品)が「マネジメント+技術ノウハウ+設備など」になります。

受託製造業の商品力 = マネジメント + 技術ノウハウ + 設備など

マーケティングの4Pで見ると、プロダクト=「マネジメント+技術ノウハウ+設備など」となります。

受託製造業は、サービス業であり、自社の商品力をアップするためには「マネジメント力」が必要であり、その「マネジメント」を仕組み化して品質をより均一化を目指しつつ、IT化で生産性を向上を目指していくことが求められます。

「職人」を育てるのでなく「仕組み化+IT化」の方向で、強い受託製造業(部品加工業、セットメーカーなど)を作って頂きたと思います。