製造業経営コンサルタントの井上です。

クライアントが20数社あり、半分がメーカーで半分が受託製造業になります。メーカーへのコンサルティングと受託製造業をコンサルティングを行う時に、頭のスイッチが変わります。

それは何かというと、まずメーカーは競合を意識します。

メーカーは特定用途の機器や装置など、専用機として量産しています。これは顧客の困りごとなどを解決する為に、メーカーが開発をして量産化して製造しています。

特定の顧客ニーズに対して、競合との「機能」の戦いになります。当然、同程度の「機能」の場合はコストが重要になります。製品ライフサイクルのどの位置にあるかによっても違いはでます。

それに対して、受託製造業(部品加工業、設備の設計制作会社など)は「誰」と戦っているのでしょうか?

加工によって違ってきますが、多くの受託製造業は地域限定になります。私のクライアントでも微小ワークに対する表面処理などは、特定地域でなく日本はもとより世界的な企業になりつつあります。これは特定分野で特徴があり、且つワークが小さいので物流という壁がないという特性があるからです。この様なケースは除くと地域密着型になります。

通常の受託製造業の場合は、メーカーから通常購入できる加工機や工具などので製造しています。一般的な受託製造業で差が出る要因、または「誰か」と競うべきポイントは顧客の求める仕様に対する「QCD」になります。

この「QCD」が受託製造業の「商品」になります。

また「QCD」が「自社の生産活動」そのものになります。

では受託製造業は「誰」と競争しているのかというと、「自社」である「己」と競争す。顧客から要求された「QCD」をより確実に熟すことが最低限求められます。これは自社の「生産活動」であり「マネジメント」、もう少し言えば現場リーダーの「己」との永い戦いと言えます。

受託製造加工業 商品力(提供する価値)

クライアントで切削加工や表面処理業などでも、成長企業と言われる地域1番の会社は、絶対的に「QCD」を追求しています。その為の工程管理、品質管理、工数管理、改善活動等々になります。

まとめ

●メーカーは「機能」の競合の戦い
●受託製造業は「QCD」の「自社」「己」との戦いである。自社の「QCD」は自社の「生産活動」であり「マネジメント」である。