財務省が同日発表した8月の貿易統計(速報)によると、貿易収支は26カ月連続の赤字となった。要約すると、
●円安が加速1ドル=108円台で推移
●2008年9月以来、約6年ぶりの円安水準
●日米の金利差拡大をめぐる観測から円売りが進む
●8月の貿易統計(速報)、貿易収支は26カ月連続の赤字。
(円安の要因)
・米連邦準備制度理事会(FRB)は、10月に金融緩和策「量的緩和第3弾(QE3)」を終了する方針を決めた。
・市場関係者は来年の利上げが視野に入ったと判断。
・金融緩和を続ける日本との金利差が拡大するとの観測から円安ドル高が進んでいる。
・円安で懸念されるのが貿易赤字の拡大だ。
・8月の貿易収支は9485億円の赤字。(財務省)26カ月連続の赤字は過去最長。
・輸入は前年同月比1・5%減の6兆6545億円と3カ月ぶりに減った
・輸出は同1・3%減の5兆7060億円と2カ月ぶりに減少
・輸入が輸出を大きく上回った。
26ヶ月連続の貿易赤字。要因・原因を見てみると、当然のことでさるが、円安が大きな要因となっている。一昔前は、輸出大国で円が安ければ何とかなるという神話があった。しかし、円高時代に対応してしまった結果、円安でも決して景気がよくならない。産業構造が変わってしまった。これからもこの流れ(現地生産等)の流れは、現場を見ている限り加速しながらまだまだ続くと予想される。
進む円安、輸出は停滞−8月の貿易統計、26カ月連続の貿易赤字
“悪い物価上昇”で消費鈍化も
円安が加速している。18日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=108円台で推移し、2008年9月以来、約6年ぶりの円安水準となった。日米の金利差拡大をめぐる観測から円売りが進んでいる。財務省が同日発表した8月の貿易統計(速報)によると、貿易収支は26カ月連続の赤字。円安の進展は輸入物価が高騰する“悪い物価上昇”を招き、貿易赤字の一段の拡大につながる。産業界、中でも中小企業は過度な円安に警戒感を示している。(日刊工業新聞 電子版より)