製造業経営コンサルタントの井上です。
今回はまた「新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について」(経済産業省)より、営業利益がリーマンショック後に欧米に対して上がっていない現状と原因について考察したいと思います。
リーマンショック後に日本の研究開発投資が出来ていない
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この資料は初めて見ましたが、研究開発投資額が回復するまでに日本だけ倍以上の年月を必要としてきた。ただし、すべての産業を前提としてている。次の資料を見ると、
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米国はIT・ハイテクの営業利益が大幅に向上したという結果を残している。製造業は自動車はある程度成長したように見えるが、他の製造業は2012年と2018年はあまり変化が少ない。強いて言えば、消費財と素材・化学、重工業が額的には伸びているように見える。
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日本は営業利益に対する設備投資・研究開発投資の比率で見ると、日本企業は減少トレンドが続いています。しかし、米国企業はリーマンショック直後から増加トレンドが継続しているのとは対照的です。これはあくまでも産業全体の話です。先程の営業利益の推移を見てもIT・ハイテク産業の貢献が非常に大きいと言えます。
これだけの資料ではわかりませんが、IT・ハイテク産業が他産業の生産性向上に寄与もしていると考えられます。
まとめ
米国は研究開発投資をしっかり行い、IT・ハイテク産業はじめ営業利益を大幅に伸ばしている。日本はIT、研究開発投資も弱かった。未来に対する備えが米国に比べて明らかに弱いという結果がでている。この原因は色々あるが、日本という国は高齢し未来に対してチャレンジをしない国になった結果と言える。チャレンジを増やすために、組織の若返りが結局は非常に大事と考える。