ISO9100が活用できない本当の理由

製造業経営コンサルタントの井上です。

ISO9001:2008、ISO14001:2004の規格の有効期限は2018年9月14日、つまり、今年、2018年9月15日以降は、ISO9001:2015年版、ISO14001:2015年版に基づく認証が必須となります。
私のクライアント先も、2015年版に移行することに四苦八苦してました。

100名以下の製造業の場合、多くの企業は本当の意味でISO9100を活用できていない。

なぜか?

そもそも形だけの認証受けていて、実態に合ってない。
自分たちの管理レベル追いつてなく、形だけの運用になっている。
ISO9100が始まった時は、内容的にあまり良いと思ってませんでした。
徐々にバージョンが上がり、経営管理の基本を網羅した形に進化しており、経営管理をする上では非常に良いツールに進化しています。
いかにうまく活用するか、運用するかが、強い経営体質を確立していくためのポイントになります。

ISO9100を取られてる企業を見ていると、取得時に自社だけで難しのでISOコンサルタントとともに構築して、取得していきますが、そのISOコンサルタントによって決まってきます。ISOコンサルタントのタイプを見ると、

①最低限の形だけの取得をさせるケース

②あるべき論が先行して、運用が非常に重くなるケース

③業種特性を理解しなく構築するケース

④業種特性や管理レベルを考慮して構築してくれる

その他いろいろありますが、代表的には上記4タイプでないでしょうか。

ISO9100はあくまでルーツですので、枠組みとしての管理フォームなどは、変更しながら良いモノに変えていく必要があります。
社員側は、意味がないことをやらされるのは嫌ですが、意味のあるISO9100になると現場の自分達の負荷がかかってくるから、めんどくさいけど差しさわりのない運用してもらった方が ”楽” と考えてます。
現場を精通していないISO事務局が多いので、現状のISOの仕組みに対して、ものを申すとISO事務局の立場もあるので、現場からあまり言わない。。。。という心理が働きます。

最近思うのですが、日本人は目的を達成する為に活動するのですが、無駄な配慮、今風でいうと忖度をして、実行されるのが遅くなる。また、目的を達成する為に最短距離でやらず、配慮の結果、遠回りをする。何かを活動する時の”抵抗値”が高い社会であると感じてます。話それました。。。。

話をもどすと、ISO9100は、毎年外部監査を受けてチェックするという非常に良い仕組みです。
その中身、何をKPIにするのかなど、本質的なことは変化させていくことが重要になります。
ISO9100はあくまでもツール。そのツールの中身を見直して、より会社が強くなる為のツールとして活用していくこと。
そしで出来る限り、手を抜くという意味ではない運用を簡単に「運用ファースト」の考えで取り組んで頂きたい。