製造業経営コンサルタントの井上です。

新型コロナウィルスがイタリア初め世界に蔓延している中、日本の製造業がどのような状態かお伝えしたいと思います。

クライアント数が25社程度あるなかで、乗客のいない新幹線に各都府県を乗り飛び回っています。

現状の製造業現状として少しいつもの統計資料を見てみます。まずは工作機械受注高です。

工作機械受注高

その次に工作機械の鉱工業生産指数です。

コロナウィルス現状の製造業

いずれにしてもかなり長期に渡って低迷を続けています。

続いて自動車関係の鉱工業生産指数ですが、

鉱工業指数(付加価値額生産)四輪自動車

鉱工業指数(付加価値生産額)自動車関連部品

続いては、半導体製造装置関連を見てみます。

新型コロナウィルス製造業現状

次は、航空機部品関連です。

鉱工業指数(付加価値額生産) 航空機部品

次は、電子部品関連です。

このように全般的には2019年に生産が減少して、1月くらいから上昇に転じて2020年は製造業は忙しいぞという流れになる予定でした。

主要各国の製造業購買担当者指数も見ても明らかです。

このような中、2月〜3月の中小製造業の現状がどうなのかをお伝えします。

私のクライアントは半導体製造装置の部品加工に携わっている会社や産業用ロボットやロボットSierなど、比較的成長産業に関わるところが多いです。

まず全般的に上記分野のクライアントは、非常に忙しい状態にあります。特に半導体製造装置の部品加工を行っている企業は数社はいずれもかなり忙しい状況です。半導体製造装置はラインなので、各工程がさまざまな国で製造されて半導体メーカーに納入されますが、あるメーカーの国が工場の稼働ができない状態になってくると他の工程の装置メーカーも納入ができずに生産が停滞する可能性があります。

また少し聞くのが基板等の部品が中国から入ってこない話も有りましたが、現状は大分無くなってきたようです。

自動化をすすめるロボットSierなどは、引合いが現状は多く受注残も増えてきています。

その逆で、工作機械の部品加工などやっている会社は、かなり受注が少な状態で先行きがやや不安な状態です。

現状では、産業によりますが製造業は忙しい状態が続いている会社も多くあります。

中小の製造業の工場の稼働を止めることができないので、世間では新型コロナウィルスでテレワークなどと言っていますが、現場に行かないといけないので通常通りの出勤をされています。中小企業の場合は、常に余剰の人員がいるわけではないので新型コロナウィルスが流行ろうがいつも通り風邪を引いて、現場の仲間に迷惑をかけないように非常に気をつけています。今年は特に、クライアント先でも風邪で休んでいるメンバーも非常に少ないと感じています。

今後については、これだけ消費が減退している中ではいずれ景気低迷は必ずきます。景気循環的には本来は景気が上昇期に入る年でしたが、再度、景気減退期に入っていくでしょう。製造業の中でも装置産業などは景気の波は早く来ます。他の産業は景気の並が後でワンテンポ遅れてくることが多いです。幸い、装置産業は需要が登りの時だったので注残が多くありしばらくは仕事は潤沢ですが、新型コロナウィルスの状況によりますが、その内厳しい状況がくる可能性が高いので、今の内に対策をしっかりとっておきましょう。