製造業経営コンサルタントの井上です。

さまざま製造業へお伺いして結構深くお付き合いするケースが多いです。戦略面や組織面においてかなり関与させて頂いてます。

そのような中、会社を第三者として客観的に分析してその分析を元にその会社にあった具体策を提示しつつ、実行を支援して行きます。その時にいつも感じていることとして、

優し過ぎる経営者は会社を弱くする

ということをいつも思っています。また逆を

厳し過ぎる経営も会社を弱くします。

優しい・厳しいの判断と合わせて、社員に求めることを適正に形で求めてないということが共通項になります。

今日は、この当たりの話をしたいと思います。

判断する軸

まずはこちらを御覧ください

優しい経営者と厳しい経営者

縦軸の「優しい経営者」とは、ろいろな失敗があった時に社長が一番悪いと社員や幹部に常に言うタイプの経営者です。失敗した原因が人のミスでもシステム(仕組み)の欠如でも、現象に対して原因を把握して対策を取らないケースが多く見受けられます。原因を追求するのが、犯人探し的になってしまうので、原因を追求しないことが多々あります。基本的に、人間はミスを犯すもののなので、そのミスを犯さないようにシステム(仕組み)でカバーすべきです。

もう一つの縦軸の「厳しい経営者」とは、正しいことを正しく求めるのであればいいのですが、「感情的」に追い込むタイプがよくないです。その場合、答えを明確に示さないのにダメ出しをするタイプです。経営者にも多少いらっしゃいますが、中間管理職に多いと思います。

横軸の「求める事」というのは、その部門や役職、実施事項等に対する「求める事」です。これが明確ではあるが、言っているだけでは駄目で、いかに社員に意識させることができて、徹底出来ているかということです。

縦軸、横軸で簡単に説明しましたが、会社の状態として社歴や幹部の意識・能力、管理職の意識・能力によっても状態は変わります。

それでは各事象ごと見ていきます。

優しい経営者/求めてない → 不平不マン

優しい経営者と厳しい経営者1

まずは左上(事象①)の「優しい経営者/求めるべきことを求めていない」の事象についてです。

「優しい経営者」とは、先程申し上げた通り、失敗の原因を明確にせず、社長が悪い言う、ある意味社員思いの経営者です。また横軸として「求めてことを求めてない」ということは、部門や役職、その仕事に対する基準(QCD)やそのプロセスなどを明示しておらず、明示していても口頭だけで済ましているというケースです。

この場合は、社員が「不平不満(不平不マン)」を言う社員が横行します。

「他部門が悪い」「他に原因がある」などです。

なぜ「不平不マン」が増殖するかというと、本来、部門・役職・実施事項についての目標や状態のなどの「基準が不明確」だからです。「基準が不明確」であれば、言ってしまえば言ったもんが勝ちであり、大きな声の人、役職が上の人が有利になります。

事象①では、言ったもん勝ちで基準が曖昧な組織になり、結果、社長が会社をコントロールしづらくなってしまいます。更に、結果が悪いことは社長の責任という負のスパイラルで無責任体制が強化されて、会社は弱っていきます。

ここで救世主として本当に優秀な幹部がいれば、そのスパイラルを抜け出せることもありますが、そのような幹部がいない場合は、良い人材が抜けていくという流れになります。

厳しい経営者/求めてない → YESマン

次に事象②の「厳しい経営者/求めることを明確にしていない」状態についてです。

優しい経営者と厳しい経営者2

「厳しい経営者/求めるべきことを明確にしていない」とは、「感情的」に追い込むタイプの経営者です。その場合、答えを明確に示さないのにダメ出しをするタイプです。経営者にも多少いらっしゃいますが、中間管理職にも多いと思います。

「求めることを明確にしていない」理由については、2つあります。1つ目として、求めることがわからないという場合とあえて言わないという場合とがあります。意識的か無意識的かはひとまず置いておいて。

わからないのは文字通りわからないということですが、あえて求めないというのは、そのほうが組織の上位者として地位を守りやすいという側面があります。経営者や上司より求められたことを実施しても成果が出ない場合もあります。その時は責任が経営者や上司に来ることになります。当たり前ですが。

その成果に対する責任を取りたくないというか、決めて成果が出ないと格好が悪いなどメンツを大切にするタイプです。

一言で言えば責任を取りたくない経営者や上司といえます。

求めることを明確にできない経営者や上司がいる組織・会社は、明確な指針が示されず、失敗したら怒られたり、愚痴を言われたりと社員は嫌な気持ちになり、それを回避するために言われたことだけをやる「YESマン」に成り下がっていきます。言っても明確な回答が得られず、やって失敗したら怒られ・愚痴られるのであれば最低限言われたことだけをしようと無気力であり、だたのYESマンになります。

優しい経営者/求めている → やる気満マン

次の事象③の「優しい経営者/求めることを明確にして求めてる」は一番良い状態です。

優しい経営者と厳しい経営者3

この事象は会社の各部門、役職、年次、また実施事項の目標や状態にについての指針・指標が明確にされている会社になります。やるべきこと・状態が実施する前に明確にわかり、状態も随時わかっている状態になります。従って、社員もどの方向に進めばいいか自ら判断がつき、仕事が進めやすい会社・組織になります。経営者や上司も、基準を明確にしているので、マネジメントもやりやすく上手く行かなければ、早い段階で察知でき修正ができ正解に近づきやすくなります。

ただ前提として、示す指針(方針)などがある程度間違っていないという前提になります。これがピンずれを起こしていると、やっても成果がでないという状態になると、指針に従って決められたことに従いつつ進んでも上手く行かないというなると、決めた事が仇となり会社・組織が麻痺していきます。ここが難しく、経営者や上司は決め事を決めたくないという状態に陥ります。これはその職責にいるべきではないと判断して、退くべきなのですが現実は代わりがいないなどという理由で結局、事象①または②になっていきます。

経営者や幹部(上司)が正しい方向に導くために指針や決め事を決めるという判断業務の難しさがここにあります。

決断が経営者の仕事だといいますが、ただ決断することではなくて、正しい決断をすることが経営者の仕事です。そこを間違えないようにしてもらいたいです。

正しく判断をして、その戦略・方針や実施事項や役割など明確にして、PDCAの「C」である確認・レビューをいくことが強い会社を作り前提になります。これを繰り返していくと、「やる気満マン」の社員が増えていきます。更にその社員で優秀なメンバーは「自律型社員」として、自ら考える社員も育っていくでしょう。

この状態にまずは持っていくことが重要です。

更に成長をして組織の人数が30名→50名→70名→100名となる過程においては、別の問題(成長痛)が起こり対処が必要になります。この件については、別で書きます。

厳しい経営者/求めている → ?

最後の事象④についてです。

優しい経営者と厳しい経営者4

この事象は「厳しい経営者/求めるべき事を明確にして求めている」ので、非常に良い状態でもあります。

事象③は優しい経営者なので、時間もかかります。事象④は、業種などや社歴や幹部・管理職のレベルによって大きく成果が違ってきます。

成長分野で良い戦略・方針で能力が高いメンバーであれば、急成長していく可能性が高いですが、衰退分野で戦略・方針が合っていない状態であれば、メンバーが優秀な場合は退社する人が多くなるはずです。メンバーがやや弱い場合は、事象②の方向に向かっていくでしょう。

これは事象③にも当てはまることです。

最後に。

上記、4つの事象ですが、会社の状態として社歴や幹部の意識・能力、管理職の意識・能力によっても状態は変わります。ただ傾向として間違いなくあります。それに応じた対処法、手順をしっかりやれば、事象③または事象④の良い状態にもっていくことができ、自分で考える社員を増やすことが可能になります。

機関車型の列車から、新幹線型へ変革でき推進力が増していきより難易度の高い課題に取り組む素地ができます。

何よりも経営者が、良い意味で会社をコントロールしやすくなります。

現状の事象を変えていくやり方などのは、また書いていきたいと思います。

まとめ

優しい経営者/求めることを明確にせず求めない → 不平不マンを作る
厳しい経営者/求めることを明確にせず求めない → YESマンを作る
優しい経営者/求めることを明確にし求めている → やる気満マンを作る
厳しい経営者/求めることを明確にし求めている → 急成長 or 崩壊