製造業経営コンサルタントの井上です。

今日も「ものづくり白書」から気になる記事、グラフから少しだけ解説していきます。

今日は雇用と労働時間についてです。

雇用環境の動向(完全失業率、有効求人倍率)

雇用環境の動向(完全失業率、有効求人倍率)
(「令和2年 ものづくり白書」より)

2019 年の完全失業率は 2.4%と前年に引き続き3%を下回る低水準が続いています。有効求人倍率は2018 年4月から 2019 年6月までの間 1.6 倍を超える高水準が続いてきた。しかし、米中貿易摩擦に伴う中国経済の減速の結果、製造業の生産活動が弱まったことなどの影響を受け、その後は低下傾向となっている。

長期的に見ると雇用環境は全業種ですが、リーマンショック後改善が進んできたのが現状です。

製造業の所定外労働時間の動向

製造業の所定外労働時間の動向
(「令和2年 ものづくり白書」より)

残業時間などを表す所定外労働時間を見ると、企業の生産活動が回復するにつれ、2017 年には増加した。2018 年後半からは、「働き方改革」の影響もあり、所定外労働時間は減少傾向が顕著です。この傾向は、2019 年はより一層顕著となり、2018 年 12 月以降、14 か月連続で前年同月比マイナスとなってます

製造業の所得環境の動向(現金給与総額)

製造業の所得環境の動向(現金給与総額)
(「令和2年 ものづくり白書」より)

製造業における月々の賃金動向を確認すると、製造業の所定内給与は、ベースアップの広がり等もあり 2017 年 11月以降 27 か月連続で前年同月以上となっている一方で、所定外給与を見ると、2018 年 12 月以降 14か月連続で前年同月比マイナスの水準となっています。

いい意味でホワイトな労働環境になりつつあり、生産性も向上しているのではないかと思われます。

まとめ

雇用環境はリーマンショック後改善が進んでいます。(全業種)所定外時間を見ると2018年後半からの働き方改革が残業減少という面では効果がでています。2019年後半までで見ると効果が上がっていると言えます。その結果、現場感では労働生産性が上がりつつあります。