製造業 経営コンサルタントの井上です。
本日(3月7日)、政府が景気動向を「下方へ」と修正してきました。
【景気「下方へ」判断引き下げ】https://t.co/rI00Bp4PGi
景気動向指数の1月の基調判断について、内閣府は、従来の「足踏み」から景気が既に後退期に入った可能性を示す「下方への局面変化」に引き下げた。この判断は2014年11月以来4年2カ月ぶり。— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2019年3月7日
春先から始まったトランプ大統領による米中貿易戦争が大きな影響を与えてます。この様な状況の中、いつ頃からその兆しが見えて来たのかをオープンデータである各種統計資料を定期的に見ている中で、メディで語られる状況と実際の現場感での違いを述べていきます。
まずは、景気動向指数を見てみましょう。
先行指数を見てみますが、これだけで秋頃から景気が落ち目で合ったことに気づきます。政府は今月、この判断を2014年11月以来4年2カ月ぶりに「下方へ」に修正しました。いろいろ事情があるので仕方がない面もありと理解はします。
まずは結論ですが、やはり工作機械の受注高を見るのが半年ほど早く状況がわかります。ブログをいつも見ていただいている方は毎月見ているグラフです。
2018年3月が、月次では過去最高受注高を上げた後、2ヶ月下がり、1ヶ月上がる下降トレンドに入っています。下降してきた要因は、外需が減ったということです。要は、海外へ輸出分の受注ということです。
(11時15分、コード6954)ファナックが3日続落している。一時前日比880円(4.0%)安の2万1320円まで下げた。日本工作機械工業会が26日発表した8月の工作機械受注額(確報値)で中国向けの受注額が前年同月と比べて37.3%減った。工作機械などの頭脳となる数値制御(NC)装置の大手であるファナックの業績悪化を懸念した売…
夏頃には、中国の受注がだだ下がりの状況にあったということです。今回は、米中貿易戦争の影響が直接的な原因です。更にこの後、景気が冷え込む可能性があると企業が思い投資を控える行動をとります。その結果、早い段階で工作機械の受注高に如実にでるというわけです。
次に内閣府が出している「機械受注統計調査報告」を見てみましょう。
「機械受注統計調査報告」から見て取れることは、9月が大幅に受注減少になっていること。これは工作機械などが影響していますが、さまざまな産業機械等の受注の総和になるので、トレンドを見極めるには少し捉えづらい指標になります。
結論としては、やはり工作機械受注高は嘘をつかないということです。半年は、先行している指標と考えても良いのではないでしょうか。
おまけとして、鉱工業指数(生産)で1月のデータで大幅に下がった品目のグラフを見ていきます。
これくらいにしておきますが、確実に製造業は仕事が薄くなります。どの程度の激震になるか、またどの程度の期間になるか見極めしつつ、今できることをしっかりやっていきましょう。米中貿易戦争が当面の経済を無視した戦いにならなければ、早い段階(半年くらい)で景気がよくなると見ています。ただ、当面の経済を無視した、米中の覇権争いになればかなりの激震であり長期に景気低迷することも頭の片隅に入れておきましょう。