製造業経営コンサルタントの井上です。

新型コロナウィルスによって世界がパニクっています。株価の下落など経済活動が本当に止まりつつあり、今後、その反動が襲ってくると予想されます。その時には、いま以上に経済的側面で企業を襲いかかってきます。

インターネットが普及して、ビジネスと切っても切れない状況にここ4〜5年くらいで完全になり、世界がいろんな意味で繋がり経済活動が日本だけでなく世界で起こったことが日本にほリアルタイムでダイレクトに影響する時代になってきた。この時代に中小製造業の経営をどうするか考察をしてみる。

リスク回避も本格的に考える時代に

製造業は、今回の新型コロナウィルスで中国の製造業が約1ヶ月完全に停止して、その影響が多く出つつある。顧客である大企業の生産拠点が中国に特に偏っていたビジネスは、今後、中国から他の国に分散していくことが考えられます。また中国生産していたものが、日本に戻ってくる可能性もあります。
ただ、中国にかぎらず特定場所に生産拠点が偏るとリスクだと考えが大企業にかつて以上広がり、生産拠点が分散していくと、日本にだけ集中するのも企業にとってリスクと意識される可能性がある。

そうなると日本国内の製造業にとって、自社の顧客の生産拠点が、日本から更に出ていくと生産拠点が1カ国に集中すると、企業はリスクだと考えると可能性がある。
更に日本から他の国に生産拠点が移っていくリスクもあります。

中小製造業として意識すべきことは、収益源である顧客を特定の客先、数社に集中するのは非常に危険、このような急激な環境が変化した時に自社の収益源が大きく左右されてしまう。

中小製造業でもメーカーは自分たちで製品を作り、顧客を選ぶことができます。受託製造業の場合は、大手企業の下請けとして顧客である大手企業の意向に左右されてしまいます。日本に工場が海外に移転しまえば、国内での仕事はなくなってしまうなど「特定」

「選択と集中」の効率重視と「リスク分散」の選択

中小製造業として意識すべきことは、収益源である顧客を特定の客先、数社に集中するのは非常に危険、このような急激な環境が変化した時に自社の収益源が大きく左右されてしまいます。

以前は「選択と集中」という比較的、効率のいいところに集中的に投資することがもてはやされていた。

特定の顧客、特定の業界、特定の設備などが、効率を重視した選択が仇となり、場合によっては致命傷になることもあります。

幅広く顧客と付き合う、取引先数を広げるなどとは、よくいいますが効率を落とすことになります。

例えば、キャパオーバーの問題がある。生産の消化能力を上げるには、外注先を抱えて対応する。外注に今まで以上に安くないと発注できないという社内の仕組みだと、緊急時に上手く回りません。逆に逆ザヤを出してでも、緊急にやってもらうこと、1回のビジネスは赤字になったとしても、経営の安定化を目指すことで非効率になります。ただし、たくさんのお客様と繋がり続けことができ「リスク分散」が出来る可能性があります。

また、社内でもウィルス感染者ができるリスクがある。優秀な人に仕事が集中しているケースがあるが、これもリスクになる。

「選択と集中」の効率化と「リスク分散」との戦いである。

選択と集中

どちらが良いかは会社毎に置かれている状況によりますが、より「リスク分散」を考えるウェートが高まっている時代といえるのではないでしょうか。

また、非効率の部分に関しては、IT化を推し進めることによって非効率化を解消することが可能な時代です。社内の特定の優秀な人(職人・スペシャリスト)依存脱却を今の時代は、そこをITで効率化することが可能になっています。これも仕事のやり方を変えるという「変化」になります。

結局は、惰性でいままでの選択を漫然と継続するのでなく、状況を判断して臨機応変にかえていくことがもっとも重要である。仮に失敗しても直ぐにもとに戻せことも出来るはずです。

「選択と集中」の効率化と「リスク分散」との戦いは、今後も続いていきます。

その時に、企業にとって大切なことは「変化できない」というリスクを減らすことだと言えます。