加工業 経営コンサルタントの井上です。

多品種少量の切削加工業(金属加工・樹脂加工)の今後、未来とは?を考察していきましょう。

まず結論、量産は海外生産、海外調達。多品種少量の中小企業が担っていた部分は、ECサイトが窓口で営業レスで、自動積算自、動プログラミング、自動ロード・アンロード、自動検査等の自動化が進んだ会社しか残らない。

切削加工業(金属加工・樹脂加工)の生産地動向

切削加工業(金属加工・樹脂加工)が国内外の加工地の動向ですが、基本的に自動車などは現地生産化の流れはまず間違いなく変化することなく、海外生産が増えていくでしょう。これは政治的側面も大いにあります。また産業機械の海外生産についても、同様に流れは海外生産の流れは早くは無いですが、進んでいくことでしょう。それを簡単に図に示すと図1となります。

国内の人口が減り内需が減少していく未来があり、逆に海外では人口増加で需要が増えていく現状があります。また海外の加工技術のアップもあります。更に海外生産化するならまだ良いのですが、海外のメーカーの進展により、日本国内企業の仕事が単純に減るということも考えられます。その為、加工するワークが無いということになります。

国内に残る切削加工業(金属加工・樹脂加工)は、日本国内に強い製造業(メーカー)ないといけません。現状で言えば、半導体製造装置や機能性フィルムを作るロールtoロール装置など、化学と密接に関係する装置になります。半導体製造装置は市場の規模も大きく、成長性も高く今後5年程度は安定的な成長をしていくと考えられてます。また半導体製造装置の部品は加工精度を要求する部品なので国内に残りやすいです。(アルバックなど韓国や台湾で生産をする考えているメーカーもあります。)

まとめると自動車などの本当の量産は、加工が難しい易しい等関係なく海外生産が進みます。機械部品も基本同様海外生産化が進みます。

今までは多品種少量生産の加工部品は国内で生産はされると今まで考えられてきましたが、現在は十分中国でも価格、納期、品質を担保して対応が可能になってきています。日本国内の加工業は、加工難易度・QCDを革新していかないと長期的にみて厳しい未来となります。

切削加工業(金属加工・樹脂加工)のテクノロジーによる変革

切削加工業(金属加工・樹脂加工)のにおけるテクノロジー(インターネットやソフトウェアの進化)についてです。

ソフトウェアの進化は、当然CAD/CAMの進化によりプログラミング作成支援の環境がどんどん良くなって来ています。これは対話式のプログラミングも同様ですね。

更に自動プログラミングが進むことは必然になっていきます。

AIがプログラム作成 キタムラ機械、CNC向け技術(日刊工業新聞より)

金属加工業の未来今後

【富山】キタムラ機械(富山県高岡市、北村彰浩社長、0766・63・1100)は、人工知能(AI)が工作機械の加工用プログラムを自動作成する技術を開発した。習熟が難しく、作業負担も大きいプログラム作成業務を大幅軽減する。中小製造業で深刻な人手不足にも寄与する。

中村留精密、工作機械にAIソフト 加工プログラム自動作成(日刊工業新聞より)【金沢】中村留精密工業(石川県白山市、中村健一社長、076・273・1111)は、人工知能(AI)が工作機械の加工プログラムを自動作成するソフトウエア「3DスマートプロAI=写真」の標準搭載を始めた。同社の最新操作盤「NTスマートX」が付く19機種が対象。加工プログラム作成時間を最大88%削減する機能で「複合加工機導入の敷居を低くする」(中村匠吾専務)。

これにより誰でもプラグラミングができる環境が徐々に整っていきます。(ただまだまだ実用化レベルには至っていないようです。)しかし、AIなども駆使しつつ完成度の高いシステムを開発しているとこも出てきました。

また自社でプログラミングを簡単にできる環境を作って成長している京都の「ヒルトップ株式会社」があります。自社でヒルトップシステムという新人でも半年でプログラミングができる支援システムを構築しています。詳しくは「遊ぶ鉄工所」をお読みください。

ソフトウェアによって職人のノウハウを支援する又は自動化することを進化させています。

ソフトウェアに合わせてインターネットによる切削加工業を進化させています。

切削加工業(金属加工・樹脂加工)は顧客の問合せから、積算見積り、図面指示など、ビジネスプロセスが3DCADとインターネットの活用で大幅に進化してきています。その代表の企業が、プロトラブズ合同会社、株式会社ミスミになります。3DCADデータを入稿すれば即積算して見積りが提示されます。通常見積り等も早くても2〜3日はかかるケースがほとんどです。通常の納期は(数量にもよりますが)2〜3週間かかります。

部品加工業_ビジネスプロセス1

部品加工業_ビジネスプロセス2

3DCADデータを入稿することで、に基づいて解析して積算をすることで瞬時に見積もりを出せ、人的な作業が限りなくゼロになったというビジネスモデルです。打合せが無くなり、オレンジ色枠のプロセスがシステム化されて自動になっている部分です。(納期は加工の内容に違ってきます。参考までに〜10日としております。加工により3日とかより短い納期の加工品もあります。)

自動化の進展は今後は、下記のようにほぼ全自動化が進むことは間違いありません。

切削加工業の自動化肝になることは自動積算及び工程設計→プログラミングのソフトウェアの部分になります。マシニング中心にできるようになるでしょう。5軸が有利にありますが、設備投資等に課題がでます。物理的な自動化は②で述べてますが、ロボット等による自動化です。これも国内ロボットだけでなく、広く海外メーカー等の検討が進みシステムとして数百万のレベルになるでしょう。人間は基本、外段取りで準備をする人材が必要になる程度になるでしょう。

部品加工業_ビジネスプロセス3

中小の金属加工業の今後、未来とは?

これらのサービスは、上図の通り「少量多品種(試作)」を得意としていた中小の部品加工業が最終的に加工していた領域です。それがこれらのシステム化されたプラットフォームの出現で、どんどん仕事を失っていくことになります。部品加工業として、DX化が出来ておらず、小回り対応など抽象的な強みだけでは中小部品加工業は生き残りが厳しいと言えます。

テクノロジーの進展、ハードの自動化

テクノロジーによるハード面の自動化の進展については、昨今、働き方改革や人材不足の影響もあり産業用ロボットを活用した自動化が進みつつあります。

前回のJIMTFや国際ロボット展でなどで色々出展されていました。

工作機械の場合は、今までもパレットチェンジャーを付けて自動化も進んできましたが特定のメーカーの特定の機種になります。新機種に関しては、工作機械メーカーがオプションとしてパレチェンを開発して選択肢が増えてきると考えられます。現行機に関しては、後付用として産業用ロボットを活用したらロードアンドーダを開発して活用できる状況になってきました。

産業用ロボットを導入している企業としていない企業の差

売り方の変革:EC化

標準品はもちろん通販が中心になり、未だ成長している企業が多い。工業系で代表的なのはミスミであり、モノタロウが上げられる。

今後は、上記のハード、ソフトのテクノロジーの進化が進むことに人間が介在する部分が減ってくる。歴史はテクノロジーで変革されてきました。これは疑いようがありません。遂に、個別受注型の多品種少量の分野まで来てます。

個別受注型でやりやすかった分野で印刷通販の「プリントパック」であり、プリント基板の「P板ドットコム」です。私のクライアントである日本でNo.1の段ボール製造通販業も成長著しいです。

切削加工業の多品種少量の品物を受注しようとして、営業担当者が奔走することで収益を上げるのは非常に難しいです。この営業フェーズもECによって自動化されていきます。

まとめ

切削加工業のあらゆるデジタル化の進展がまさに現在進行系で進んでいます。どの様なテクノロジーを使えて、自動化することで工数を減らせるのかなど、ツールを使いこなすことが重要な時代になってきています。ツールを使い自動化を行いつつ、人材の育成なども行う 。マネージャーの仕事が複雑化していきます。マネジメント・エンジニアが必要な時代です。

変化でなく、変革をしていきましょう。

多品種少量の切削加工業の今後、未来とは?
 注目企業の事業分析
業界企業名事業内容第1四半期第2四半期第3四半期期末
 半導体製造装置

 レーザーテック(株)半導体マスク欠陥検査装置等製造9月12月3月6月
 ローツェ(株)ウエハ搬送システム、FPD製造装置等5月8月11月2月
 工作機械・産業用ロボット ファナック(株) CNC装置、工作機械、産業用ロボット製造 6月 9月 12月3月