製造業経営コンサルタントの井上です。

2020年5月下旬に「ものづくり白書」が出ています。もう読まれましたよね?

読まれて無い方の為にも、気になった内容について解説して行きたいと思います。

しばらくは現状を把握する為のテーマが中心になると思います。

では、いきます。

日銀短観・業況判断 DI の推移(企業規模別)

銀短観・業況判断 DI の推移(企業規模別)
(令和2年 ものづくり白書より)

日銀短観・業況判断DIの推移を見ると、2018年までは景気が上昇トレンドにすべての企業規模で見て取れます。景気が悪くなる時は、非製造業より製造業が早くDIがマイナスになっている傾向が見て取れます。今回のコロナショックに関しては、逆になると思います。2018年から景気後退が見て取れますが、これは米中貿易戦争が始まりアメリカが具体的に関税を大幅に掛けてきた結果です。これはコロナが起きようと変化は有りません。また今後もこの状態は続きながら、米中貿易戦争の影響を受け続けるという事実は忘れないようにしましょう。

鉱工業生産指数の推移

鉱工業生産指数の推移
(令和2年 ものづくり白書より)

井上も毎月ブログで掲載している「鉱工業生産指数」ですが、長期トレンドで見ると景気動向と一致しています。これは業種別でのグラフがありますが、わかりずらいですね。

稼働率指数の推移

働率指数の推移
(令和2年 ものづくり白書より)

「製造工業生産能力指数・稼働率指数」を見てみると、長期的な動きは前述した指標と同様ですが、「はん用・生産用・業務用機械工業」の動きは景気上昇時は遅れて上昇してきているのに、景気下降時には早く下降しているという業種特性を見て取れます。毎月ブログでいくつかの経済指標を見てますが、景気減速に入ることを早く察知して対策を取ることが重要です。それと現場の情報を合わせて、環境を知るということを怠らないようにしてほしいです。景気が良いことが数年続くとどうしても思考がプラス側に行き過ぎ悲観的に考えられなくなり、実際に景気が悪くなった時の初動が遅くなるケースがほとんどです。

株価の騰落率の推移(東証株価指数、業種別株価指数)

価の騰落率の推移(東証株価指数、業種別株価指数)
(令和2年 ものづくり白書より)

株価暴落率の推移をみることはあまりないのですが、他の経済指標と照らし合わせて見ると株価の暴落率の動き大きく変動しているように見えます。この指標を常に見ることが難しいですが、一つに視点として覚えておきましょう。

まとめ

まとめ

経済指標の正確性など、言い出したらきりがないのですが、センサの一つとして捉えてます。数値が捉えてもあまり意味が無いですが、トレンドで捉えると見えてくるものの違ってきます。複数の経済指標と組み合わせて、製造業の動向を見る一つのセンサ、フィルターとして継続的に見てほしいです。

最新の経済指標をグラフ化して見ることによって、経済トレンドを把握することが重要。工作機械受注高、鉱工業生産指数、製造業国賠担当者指数(中国)(EU)、設備稼働率(米国)等を押さえておきましょう。

経済指標名
  産業機械 受注統計
 工作機械受注高 鍛圧機械受注
 機械受注統計      ※1 内務省HPへ
 機械受注高 (産業用ロボット) 機械受注高 (建設機械)
 製造業購買担当者指数
 製造業購買担当者景気指数(日本) 製造業購買担当者指数【PMI】(ドイツ)
 製造業購買担当者指数【PMI】(中国) 製造業購買担当者指数【PMI】(ユーロ圏)
 製造業景況指数【ISM】(アメリカ) 
 鉱工業指数
 鉱工業指数(生産)四輪自動車・自動車部品 鉱工業指数(生産)電子デバイス・電子部品
 鉱工業指数(生産)生産用機械工業 鉱工業指数(生産)電気計器・計測器
 鉱工業指数(生産)半導体・液晶製造装置・半導体部品・液晶パネル 鉱工業指数(生産)計測分析機器・精密測定機
 鉱工業指数(生産)工作機械 鉱工業指数(生産)金属製品工業
 鉱工業指数(生産)機械プレス 鉱工業指数(生産)炭素繊維
 鉱工業指数(生産)産業用ロボット 鉱工業指数(生産)水晶振動子
 鉱工業指数(生産)航空機部品 鉱工業指数(生産)段ボール箱・板
 鉱工業指数(生産)建設機械 鉱工業指数(生産)プラスチック製部品
 鉱工業指数(生産)食品・包装機械 鉱工業指数(生産)ファインセラミックス
 鉱工業指数(生産)ポンプ・圧縮機・油空圧機器等 鉱工業指数/設備稼働率(アメリカ)
 鉱工業指数(生産)普通鋼・特殊鋼等 
 生産統計
 建設機械生産統計(金額・台数)
 貿易統計
 貿易統計 商品別輸出額(全体) 貿易統計 商品別輸出額(電気機器)
 貿易統計 商品別輸出額(一般機械) 貿易統計 商品別輸出額(輸送用機器)
 特定サービス産業動態統計調査
 機械設計業エンジニアリング業
 その他
 ハイテクノロジー産業の国別付加価値額
 貿易収支
 景気動向指数