製造業経営コンサルタントの井上です。

現場では「制約条件」は何かを考えます。

お金の面の制約条件、人に関する制約条件、その他いろいろありますが、その「制約条件」によって会社の成長性や収益性が規定されます。

中小の製造業、特に受託加工、受託製造業の自社製品を持っていない会社は、社員のスキルが大きな制約条件になります。

中小製造業も頭では分かっていても、実行度合いが著しく悪いと感じてます。

いわゆる、「緊急でないけど、重要な業務」に分類される仕事です。
先日、私の主催する勉強会でIVIの方に話をして頂きました。その中でIoTの取り組みで、大手装置メーカーの取り組みを聞きました。

IoTの話はここでは割愛しますが、その大手装置メーカーの加工現場の話です。

大手企業は、社員のスキル分析は当然実施して、教育や評価にも結びつけています。この大手装置メーカーでは、作業指示は、作業者と各人のスキルと加工機の情報をシステム上で自動で作業指示に反映させています。

仮に同じ作業でも、作業者が変われば、当然、作業指示内容が変わるということです。

中小企業の場合は、作業者をどんどん入れ替えながら仕事はできません。慢性的な人員不足の中、教育に割ける時間も少ないです。

多能工化していく必要はありますが、まずは各人のスキルを出来るだけ上げること。その上で、多能工化を推進すること。

スキルを上げる為に、できるだけドキュメント化や映像化していくことが今後、教育を確実に効率的に進める為に重要になります。

現場では、若手が育たないと嘆く管理職が多くいますが、教育を具体的にどのように実施しているのかと聞いてみると、OJTによる口頭による指導。。。。

手を抜きまくりですね。現実は、この様な有様です。

特に、職人的要素がある専門職は、なかなか明文化しにくいのは事実です。そこをビデオをとったりとひと手間かけるなど、また最近ではスマートフォンでかなりきれいの映像が撮れるので、新しいテクノロジーを活用するなど、日本の製造業を強くする為の取り組んで頂きたいと思います。
最後に、人員に制限・制約がある中小製造業は、まずは従業員のスキルを上げることが重要です。分かりきっていることでも、具体的に進められている会社は数%だと感じてます。
当たり前のことで、より重要な人材育成、スキルアップを真剣と取り組んで頂きたい。