燃料電池自動車(FCV)が最近よく話題にでるので、まとめてみた。

燃料電池自動車(FCV)が、自動車メーカー各社は2015年頃からの本格発売を目指し始めています。

燃料電池自動車(FCV)は、水素と酸素を反応させて電気を起こす発電システムです。その電気を使用してモーターにより走行します。エネルギー効率がよく、排出されるのも水だけのエコカーとして期待されています。燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)では、2025年には燃料電池自動車(FCV)が200万台程度にまで拡大すると想定しています。

日本メーカーは燃料電池自動車(FCV)技術で世界トップクラスともいわれ、今年になって、ホンダ・GMのほか、トヨタと独BMW、日産自動車と米フォードモーター、独ダイムラーもそれぞれ手を組んでおり、FCVをめぐって動きが活発になっています。
<各社の燃料電池開発・販売状況>

2013年に入り、日本の自動車メーカーが燃料電池車の開発をめぐり、海外メーカーと立て続けに提携しています。

2013年1月・・・トヨタがBMWと提携
2013年1月・・・日産がフォードモーター、ダイムラーと提携
2013年7月・・・ホンダがGM(ゼネラルモーターズ)と提携

日産自動車が、2013年1月にルノー(仏)・ダイムラー(独)・フォード(米)という世界的自動車メーカーらと、燃料電池システムを共同開発するという発表もされました。各社とも燃料電池の研究開発を長年続けてきたという素地があるため、量産型燃料電池自動車を早ければ2017年に発売することができるとのことです。

ホンダが2015年に一般販売開始を目指しているFCVは、1回の燃料補給で走行距離800kmを誇るという。販売価格は2015年1月頃に先行発売される予定のトヨタのFCVの動向をみて判断されるが、700万〜800万円程度を見込んでいる。

燃料電池自動車(FCV)については、安全性に関する世界統一基準で日本の提案が採用されたほか、燃料電池に関する特許出願件数は日本が世界一を誇っています。また、日本勢の優位性が確保しやすいこともあり、政府は普及に力を入れたい考え。安倍首相は24日に発表した新しい成長戦略で、燃料電池自動車(FCV)を含む次世代自動車の新車販売に占める割合を、2030年までに5〜7割とすることを目指すと明記している。

そのため政府は、2025年ごろまでに燃料電池自動車(FCV)の販売価格をハイブリッド車と同じ水準に引き下げることや、水素ステーションの建設コストを引き下げて設置箇所を増やすこと、車両購入の補助金を出すなどの工程表も作成した。

 

<水素ステーションの普及状況>

FCVの燃料となる水素を供給する「水素ステーション」の普及です。エネルギー事業者10社は2015年までに水素ステーションを国内に100カ所整備、さらに2025年には1000カ所程度の設置を掲げています。

現在、水素ステーションは全国に17カ所ありますが、いずれも社会実験用で、一般の人は利用できません。今年に入ってJX日鉱日石エネルギーは神奈川県海老名市のガソリンスタンドに併設する水素ステーションを設置。一般向け水素ステーションの整備に向けて積極的に動いています。JXは「当面40カ所の整備を目指している。今後コストダウンがどれだけできるかを研究したい」と話しています。

一般的なガソリンスタンド(GS)の整備には約1億円の費用がかかるといわれますが、水素ステーションのコストはGSの5倍程度はかかるとされています。このため経済産業省は国が半額を補助する事業を今年度から始めました。今年度はJXのほか東京ガス、岩谷産業などの事業者が19カ所の整備で交付決定を受けており、経産省は燃料電池自動車(FCV)本格販売が始まる2015年に向け補助を続ける方針です。

水素ステーションの整備は4大都市圏を先行して進められ、大阪府は、水素ステーションの整備に必要な水素の圧縮技術や専用バルブなど、関連部品を作る中小メーカー向けに補助金を出す事業をスタートしている。

 

安倍内閣は成長戦略の一環として規制緩和などによるFCVの「世界最速普及」方針を示しています。日本が燃料電池自動車(FCV)先進国となるためには政府や地方自治体の支援がどれだけ進むかがポイントになります。

 

しかし、今回の燃料電池自動車(FCV)への政府の支援など、かなり速いスピードで決まってきた感があります。自動車メーカーの開発も予定よりも早まっている。これはもう直ぐ始まるアメリカからのシェールガス輸入と関係がありそう。燃料電池に用いられる水素は、メタノールから生成される。メタノールは窒素酸化物やCO2が少ないジメチルエーテルの原料として使われるエコ材料であり、シェールガスから相当量が生成できる。シェールガスがどんどん増産されれば、そこからメタノールを精製し、それを原料として水素が作れるようになる。
燃料電池自動車(FCV)の普及の裏には、やはりアメリカがあるのか定かでないですが、日本の産業構造が変わるほどのインパクトを持っているので注目していきたい。